◆ 感染症情報 1999年 ◆
7月 8月 9月 10月 11月 12月
1月 2月 3月 4月 5月 6月
 
12月 いよいよ1900年代最後の月ですね。暦通り冬が到来し、山間部では積雪も見られますが、感染症に関しては例年より少ないようです。急に高熱が出たり、咳込みがひどくて声も出なかったりする患者さんもいますが、ウィルス学的には先月と同様でインフルエンザは分離されていません。それでも気温が下がって乾燥してくると、間もなくインフルエンザ騒ぎになるでしょう。今年はワクチンの希望者が予想以上に多く、ワクチン不足になっていますが、できれば接種しておくべきでしょう。
 
11月 秋の深まりと共にコクサッキーウィルスやアデノウィルスによる「風邪」症候群やRSウィルスによる気管支炎が多発しています。RSウィルスは「冬に流行」と相場が決まっていたはずですが、今年は9月頃から分離されており、ウィルスの世界でも異変が目立つようです。腸管アデノウィルスによる腸炎や病原性大腸炎、サルモネラなどによる細菌性下痢も散発しています。喘息発作が多発するようになりました。早めに治療するようにしましょう。
 
10月 記録的に真夏日が多くて暑かった9月が終わると、平年並みの気温でも肌寒く感じるようになり、喘息が出やすくなります。子供の喘息は「風邪」がきっかけでおこることが多いので、息苦しいような咳には注意しましょう。アレルギー性鼻炎(花粉症)やアデノウィルスによる咽頭結膜炎、マイコプラズマ肺炎などが散見されます。感冒症状に伴って血液検査で肝臓機能障害を認める患者さんが目立ちます。細菌性の腸炎で入院される方もおられます。
 
9月 新学期が始まり、少し体調が悪くても無理をして登校する児童が目立ちます。夜に発熱があっても、翌朝熱が下がっているといってすぐに登校して午後から高熱を来す子供もありますから注意しましょう。夏風邪はかなり下火になっていますが、喘息発作を起こしたり、家族で肺炎になる方も見受けます。愛媛県は今年もブタから日本脳炎のウィルスが検出され、日本脳炎の汚染地域になってしまいました。予防接種はできるだけ受けておくようにしましょう。
 
8月 かなり下火になりましたが依然として手足口病が散発しています。今年の愛媛県での手足口病の多発は他の都府県よりもかなり突出していたようで、関係者の注目を浴びています。水痘は県内全体としては多発していますが、市町村での予防接種の摂取率によりかなり違いがあるようです。今年は台風が多いようで喘息発作もしばしば起こされます。アデノウィルスによる高熱が続く夏風邪症候群やヘルパンギーナ、気管支肺炎も散見されます。
 
7月 依然としてコクサッキーウィルスA16による手足口病が多発しています。小中学生や、成人で手足口病に罹る方もおられます。サルモネラや病原性大腸菌による腸炎が多発しています。年長児ではトイレは自分で行きますから、下痢の様子や腹痛の程度がひどくならないと、ご両親に訴えないことが多いようです。顔色が悪かったり、腹痛や下痢を繰り返すようであれば早めに検査を受けるようにしましょう。
 
6月 梅雨に入って、蒸し暑い日が続くようになりました。手足口病と水痘(みずぼうそう)が多発しています。今年の手足口病からはコクサッキーウィルスA16のみが分離されています。砂遊びや水いじりによる湿疹やあせも、とびひなどの皮膚疾患が増えています。皮膚は清潔に保つようにしましょう。外出の際には、脱水症にならないように水筒などを忘れず、こまめに水分を摂るようにしましょう。
 
5月 ゴールデンウィークは、しまなみ海道の開通に合わせたイベントなどで、四国地方は大渋滞でした。連休の疲れのためか、夏日の日もあったり気温が不安定なためか喘息発作が悪化した方や、気管支肺炎を合併する方が目立ちます。アデノウィルスらしい、高熱の「かぜ」や嘔吐下痢症の方も多くなっています。手足口病が流行し始めています。無理をしないようにしましょう。
 
4月 今年の桜前線は例年より早く到来しましたが、花冷えで、風邪症状を引き起こす方もおられます。流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)や水痘(みずぼうそう)などが散見されます。インフルエンザらしい高熱が続いて肺炎を合併する方が目立ちます。3月中旬でもB型インフルエンザが多数分離されています。下痢や嘔吐の患者さんからはロタウィルス、一部には病原性大腸菌が検出されています。
 
3月 寒さがゆるんで風の強い日には花粉が目立つようになりました。花粉症のある方は、乾燥して風の強い日中の外出は控えるか、マスクを着用するようにしましょう。インフルエンザはA香港、B型とも分離されており、アデノウィルス、ヘルペスウィルスによる上気道炎(風邪)も見られます。発熱と咳が続いて肺炎を併発する方も散見されます。ロタウィルスによる嘔吐下痢症や病原性大腸菌による腸炎も多数見られます。上気道炎に引き続いて喘息発作が急に出現する方も目立ちます。
 
2月 2月に入って、ますますA香港インフルエンザが猛威を振るっており、肺炎を合併したり熱性けいれんを引き起こすお子さんもおられます。熱性けいれんは1歳から5歳までのお子さんに多く(約8%)急に高熱が出た初日に起こります。ほとんどは5分以内に治まりますから、大声で名前を呼んだり体を揺り動かしたりしないようにしましょう。アデノウィルスやロタウィルスも分離されていますので、「かぜ」症状や消化器症状を繰り返す方もおられます。なお1/28から2/2にかけて3人の患者さんからB型インフルエンザが分離されました。B型ではA型ほど高い熱は出ませんが、筋炎をおこすことがあります。
 
1月 1月4日の患者さんからA香港インフルエンザが検出されました。高い熱と全身倦怠が特徴で咽頭痛(のどの痛み)や咳、関節痛などを伴うことがあります。子供さんではけいれんや脳炎・脳症を合併して死亡する例もあり、昨年は全国で数百人の死亡が推定されるため厚生省は調査を始めたくらいです。それから、かつて例がないほど、たくさんの患者さんからRSウィルスが分離されています。このウィルスは細気管支炎を引き起こし、呼吸困難を伴うような、ひどい咳が続いて、食事もとれなくなり重症化しますので要注意です。



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