感染症情報2015

◆ 感染症情報 2015年 ◆
7月 8月 9月 10月 11月 12月
1月 2月 3月 4月 5月 6月

12月 各地で積雪が見られたり、秋に逆戻りしたり、気温の変動が顕著です。乳幼児や高齢者で体調を崩す方が目立ちます。1~2日で急速に呼吸困難を引き起こす気管支肺炎が目立ちます。息苦しそうだったり、機嫌が悪くて眠れないようであれば、早急にかかりつけ小児科を受診するようにしましょう。 RSウィルスとマイコプラズマ、溶連菌が高率に検出されます。感染性胃腸炎(嘔吐下痢)の多くはノロウィルスが原因のようです。吐物や下痢便からの感染力が強いので、手洗いとうがいを励行しましょう。寒くて乾燥してくるとインフルエンザにも注意しましょう。

11月 感染症はそれほど多くはありませんが、日によって極端に発熱や咳の患者さんが増えたりします。昨年アメリカで小児に流行した重症の呼吸器感染症の原因ウィルス「エンテロウィルスD68」が日本でも検出され、一部では手足の麻痺が生じたりしています。エンテロウィルス71というウィルスも日本では手足口病の症状が主体ですが、海外では脊髄炎や脳炎の原因として有名です。感染性胃腸炎(嘔吐下痢)の患者さんからノロウィルスが多数検出されています。インフルエンザのワクチンが始まりました。乳幼児や高齢者は特に、重症化を防ぐためにワクチンを受けるようにしましょう。

10月 神無月に入り、朝夕の気温が下がってきました。喘息発作が増加傾向にあります。いつもの咳と思って来院されて、呼吸機能の低下が重度で点滴になるお子さんが目立ちます。先月に引き続いて乳幼児のRS感染による肺炎で多数入院されています。咳き込みがひどい場合は早めに小児科を受診しましょう。高熱が続いて腎盂炎と診断された方が複数見られました。女児では尿路感染症を起こしやすく、排尿痛や違和感を訴えたりしないため要注意です。間もなくインフルエンザワクチン接種が始まります。今年は含まれる株数が増えたため接種料金が高めですが、早めに受けるようにしましょう。

9月 天候が不順で、多くの地域で日照時間が平年より少ないようです。気温の低下や低気圧の関係で喘息が増加傾向にあります。急に咳込んで体調を悪くするお子さんも来院されます。乳幼児でのRSウィルスによる気管支肺炎が目立ちます。年齢が低いほど重症化する可能性が強いので注意しましょう。溶連菌感染、ムンプス(おたふくかぜ)と水痘(みずぼうそう)が散見されます。手足口病やヘルパンギーナも、なお流行中です。感染性胃腸炎からは、ノロウィルスとロタウィルスが検出されています。

8月 猛暑日が続いています。熱中症や水の事故等が連日のように報道されています。水分補給と体力保持に気をつけましょう。ヘルパンギーナや手足口病、溶連菌感染症が多発しています。急に熱が出てグッタリし嘔吐を繰り返す患者さんが目立ちます。夏場にも関わらずノロウィルスやサポウィルス、A群ロタウィルス等が便培養で検出されています。高熱に伴ってけいれんを引き起こす方もいます。マイコプラズマ肺炎が引き続き多発しています。長引く発熱と咳には注意が必要です。

7月 ヘルパンギーナや手足口病が急増しています。熱が高く、ノドが痛くて食欲が低下したりします。脱水もおこりやすいので、こまめに水分を補給するようにしましょう。溶連菌やマイコプラズマ感染症も比較的多く、的確な治療が必要になります。感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)の患者さんからノロウィルス(G1型)が多数検出されています。嘔吐や下痢の症状が重度で感染力も強いので注意しましょう。天候が不順ですが、熱中症と日光皮膚炎にも気をつけましょう。

6月 手足口病やヘルパンギーナが増加傾向にあります。高熱と咳が続いて気管支炎や肺炎になり、点滴をしたり入院される方も目立ちます。感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)の患者さんからノロウィルスやA群ロタウィルスに加えて病原性大腸菌も分離されています。気温が高くなるので食材の管理には気をつけましょう。膀胱炎や腎盂炎の女児が散見されました。日差しが強くなり日光皮膚炎や脱水も起こしやすくなるので、炎天下での運動や作業には注意しましょう。

5月 4月下旬から高熱と咳が続いて、気管支炎や肺炎を合併し入院される方が増えています。マイコプラズマ感染が原因であることも多いですが、原因不明の例もあり、大人への家族内感染もしばしば見られます。血液検査で肝臓の機能障害が判明する場合もあります。症状が長引く時は嫌がらずに検査を受けるようにしましょう。感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)ではノロウィルスに加えてA群ロタウィルスも検出されています。吐物や下痢便から感染するので注意しましょう。

4月 3月末に桜が開花したかと思うと、あっという間に花見の季節となり、日差しは日増しに強くなってきました。A型インフルエンザは終焉しB型が小流行中です。喘息性気管支炎とアレルギー性鼻炎、結膜炎が目立ちます。咳が長引く時は早めに治療しないと呼吸機能が低下する場合もあります。感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)も依然として多数見られ、ノロウィルスが原因で家族内感染がしばしば見られます。気温が上昇すると細菌性の胃腸炎が増えますから食材の管理には注意しましょう。

3月 インフルエンザは先月より下火になりましたが、微熱程度でも体がだるく、インフルエンザ検査が陽性に出る方もいますので、気をつけましょう。乳幼児で高熱が4~5日続く、原因が特定されていない上気道炎が目立ちます。おたふく風邪や水ぼうそうが散見されます。感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)も多く、8割前後はノロウィルスが原因です。感染力が強いのでうがいと手洗いを励行しましょう。花粉症が増加傾向にあります。マスクや帽子の着用と早めの治療を心がけましょう。

2月 インフルエンザ(AH3, A香港)の流行が続いています。家族内感染も目立ち、咳がひどく気管支肺炎を合併する方もいます。B型も少数ですが発生しています。マイコプラズマ感染は引き続き高率に発生しています。高熱や長引く咳が特徴ですが、全身状態は比較的良好なため、登校や登園して感染が広がるようです。感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)ではノロウィルスが多数検出されています。花粉が飛び始め、鼻づまりや咳の患者さんが増えていますので、花粉症や喘息気味の方は早めに治療するようにしましょう。

1月 12月中旬からA型インフルエンザ(A香港型)が急増しています。肺炎を合併したり、けいれんを引き起こす方もいますので厳重注意です。急な発熱で受診される場合は、他の人に移さないよう、受付に伝えて別の待合室を利用するようにしましょう。RSウィルスによる気管支(肺)炎も多く、呼吸困難のために入院される方もいます。手足口病(コクサッキーA16)も散見されます。ノロウィルスによる感染性胃腸炎も見られます。腹痛や嘔吐、下痢が重度なので注意しましょう。